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エジプト4~アスワン(2018年5月)

更新日:2018/7/4

ダムに沈むはずだった神殿

ナイル川の氾濫防止と、農業用水確保のために建設されたアスワン・ロウ・ダム。
しかし、それだけでは力不足であったために、1954年に計画されたのが、アスワン・ハイ・ダムです。
1970年に完成したこのダムは、今でも川の氾濫防止や農業用水確保、そして水力発電をも担い、エジプトの人々を守っていますが、ナイル川に沿って文明が発展してきた遺跡だらけのエジプトにおいて、ダムを造るといっても簡単なことではありませんでした。

当初、ヌビア遺跡のアブ・シンベル神殿をはじめとする遺跡群は、そのまま水没させる計画だったとか。
しかし、国際社会からの反対の声に動いたユネスコの援助により、遺跡は1036のブロックに切断され、世紀の大移動により、水没を免れたのです。
そして、この大規模な移設工事がきっかけとなって、遺跡や自然の保護を目的とする『世界遺産』が創られました。
しかも、ロウ・ダム建設時にすでに水没していたフィラエ島のイシス神殿など10個ほどの遺跡も、水面上へと移設されています。

この活動のおかげで見られるこれらの遺跡は、とても素晴らしく、見応えがあります。
ぜひ足を延ばして、見てみてください。

アブ・シンベル神殿

歴代のファラオの中でも、ファラオ中のファラオといわれる、ラムセス二世。
彼が建設したこのアブ・シンベル神殿のオリジナルは、岩山を掘って作られた岩窟神殿です。

太陽神ラーを祭神とし、4体のラムセス二世像がある自らの神殿である大神殿と、ハトホル女神を祭神とする王妃ネフェルタリのために建設された小神殿からなっています。
年に二回神殿の奥まで陽の光が届いて、神殿の奥の四体の像のうち、冥界神であるプタハをのぞいた三体を照らすようになっていて、本来はラムセス二世の生まれた日と、王に即位した日にこの現象が起きていたということですが、アスワン・ハイ・ダム建設のため移築されたのちは、その日付がずれてしまったそうです。

現在は、ダム建設によって出来た人口湖、ナセル湖のほとりにたたずんでいます。

こちらも様々な壁画が美しいまま残されていますが、私が好きなのは、戦車を率いる姿が勇ましいこちらの壁画。

そのほか、ラムセス二世の戴冠式の壁画も。

セト神(左)とホルス神(右)が、ラムセス二世の戴冠式を行い、祝福している様子だとか。
私と比べても、これら壁画がいかに壮大か、お分かりいただけるでしょう。
素晴らしい文明を目の当たりにして、身が引き締まります。

フィラエのイシス神殿

そしてこちらは、私が大好きな場所、フィラエ島にある、美しきイシス神殿です。

ダム建設による水没の危機を乗り越え、アブ・シンベル神殿の世界遺産化活動のおかげで、水上に移築されて、見ることが出来るようになった神殿です。
元々、イシス女神の聖地フィラエ島にあった神殿で、アギルギア島に移築されたのですが、現在ではこの島がフィラエ島と呼ばれているそうです。

私が大好きな、タロットの2番、女教皇の女神イシスが、優雅にいる場所。

こちらで見て頂きたい壁画は、こちら。

ハトホル神のお乳を、皇帝が飲んでいる様子です。
つまり、神の子という意味で、皇帝の威光を示す一コマ。
しかしこちら、顔をえぐり取られています。
次のファラオの征服により宗教が変わると、それまでの偶像を破壊するといったことは、どの文明でも、いつの世でも、よくあること。
次の王様が来ると、前王の偶像を破壊したり、顔をとったりすることもあります。

そういった歴史も垣間見られる、面白い壁画ですね。
次回はいよいよ、7回目のエジプトでようやく5回目に訪れたピラミッドでの出来事をお届けします。
お楽しみに!